特集 現任教育の道
3 院内教育9年目
早川 かつ
1
1大阪赤十字病院看護部
pp.29-31
発行日 1966年2月1日
Published Date 1966/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912625
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I.院内教育のすすめ
社会情勢の変動や医学分野でのめざましい進歩は,病院看護にも変化をもたらしている。医学の進展に足並みを揃えるために,看護婦は次第に複雑な任務が課せられ,新しい装置の効果的な操作を学び,結果として医学的診断と治療についてさらに多くの知識と理解をもたなければならなくなってきた。病人の世話が家庭から病院へと移るにしたがって,今までは患者の家族によって与えられていた個人的な面についての世話も看護専門職によって,より多く提供しなければならなくなっている。看護が専門職として発展していくためには,看護は単なる医療補助業務としてではなく科学性と独自の主体性をもつ総合看護でなければならないと考えられるようになってきた。今日の進歩する医学に伴って看護婦は多くの予知しない状況に直面しなければならないし,また看護の実際において,知性ある判断をもってことを処理しなければならなくなってきている。
ここ数年来,よりよい看護ケアーをするためにチームナーシングが行なわれているが,そのチームを導くリーダーとしてのナースは民主的なリーダーシップを身につけなければならないが,これは看護婦が管理上の責任をとるための準備をするに当っての実際的な手段ともなる。チームワークを通してチームメンバーの1人々々が成長するように,そして日々の変化に対処し得るように,院内教育がすすめられなければならないときである。
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