教材
日本近代女性史—第9回 太平洋戦争と女性
福地 重孝
1
1和洋女子大学
pp.41-44
発行日 1962年3月1日
Published Date 1962/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663904164
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左翼女流作家群
こうした暗い風潮のあとをうけて,現実の上に立って個人の尊さを現わそうとして努力した文学者に芥川龍之介があったが,かれらの努力も人間的なものの追求と,現実のきびしさにはさまれ,何ら解決することができなかった。彼は「前途に不安」をいだいて1927年(昭和2)に自殺した。
いっぽうプロレタリヤ作家藤森成吉が一介の労働者となって無産社会の中にはいって生活の糧を求め,「何が彼女をそうさせたか」を書き,小林多喜二の「蟹工船」,徳永直の「太陽のない町」などが文壇にクローズアップされてきた。
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