レハビリテーションの実際・4
理学療法(2)
片岡 喜久雄
1
1国立東京第二病院
pp.77-80
発行日 1964年1月1日
Published Date 1964/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912127
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気候療法
気候療法とは気候の生体に及ぼす影響を医学に応用するものである。気候が人体に与える影響は多くの要素に分けることができる。これらの要素は日光,気温,湿度,気圧,風などの気象で,土地の高低,水の性質,交通,家屋,衣服,換気などの環境も当然考慮に入れねばならぬことは当然であるが,これらは衛生学的な意義が治療面での意義より大きい。また日光の意義についてはすでに光線療法の項で触れたので省略する。
1.気 温
日によって温度が非常に大きく異なる場合も,1日の中で温度の変化が大きい揚合も病気の療養には適さない。1年を通じて温度の変化の小さい場合が一般に温和な気候といわれている。気候が温暖であれば身体は安静で睡眠がよくとれる。熱の発生,放散も適度で腎臓の負担は軽減する。貧血,発熱者また慢性疾患の場合にも適する。高温(25。C以上)では神経系,呼吸器系,消化器系の機能が減退するが寒冷では刺激的,興奮的に作用する。新陳代謝は盛んとなる。抵抗力のある場合には寒冷気候療法として用いられる揚合がある。しかし寒帯の気温が気候療法として治療面に利用されることはない。
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