特集 ジェネラリストとスペシャリスト
理学療法のスペシャリストとして
2.理学療法のprofession
岡田 亨
1
Toru Okada
1
1船橋整形外科病院地域医療推進室
キーワード:
profession
,
整形外科
,
理学療法
Keyword:
profession
,
整形外科
,
理学療法
pp.721-723
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201275
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理学療法のprofessionとして
「理学療法は,外的要因としての社会的ニーズによって生まれ,同時に外的要因によって規制される部分と,それに専従する者の総合的活動水準としての内的要因によって自ら規制した部分により構成されている」.奈良勲1)先生の『理学療法の本質を問う』の一節である.外的要因である社会的ニーズの多角化は,療法士を戸惑わせている.プログラムはより最新のものが好まれ,現場では効率的・効果的・経済的の三つ巴に対峙しなければならない.医療は今,サービスと呼ばれ,患者とのラポール形成より顧客満足が重視されているのではないかと筆者は危惧している.コミットという言葉はすでにお株を奪われてしまった.現場は経営側から担当数,クレーム数で査定され,社会情勢は少子高齢化,技術革新,医療・介護費問題,介護予防などへの参画の要請,加えて個人に対する自己責任,自己実現へのプレッシャーが強調される空気感に包まれている.現場の悩ましさは容易に想像できる.
今日では,患者に向き合うために「理学療法士だから」という土台は沈下し,付加価値が求められている.われわれが患者に向き合うこととは何か,考える必要が今ある.
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