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帯下(こしけ)のはなし
大川 知之
1
1福島医科大学産婦人科
pp.59-64
発行日 1962年8月15日
Published Date 1962/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911709
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帯下は婦人科の外来診療において最もしばしば遭遇する問題である。しかし帯下を訴えるものがすべて病的なものではなく,また生理的帯下でさえも病的と錯誤して来院するものも少なくない。これは正しい帯下の識がないためではあるが,さらに雑誌,パンフレットなどの啓蒙による影響が大きいようである。
帯下を子宮癌の初発徴候と心配して来院する若年者が非常に多くなってきたことは,一面非常に喜ばしい傾向ではあるが,もうすこし帯下について理解していると,むだな不安な気持はなくなるのではなかろうか。反対に最も必要な老令者にあってはまだまだというのが現状である。そこで,日常最も患者と接する機会の多い看護婦のために帯下について簡単に説明してみたいと思う。
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