今月の臨床 高年婦人科—更年期から老年期へ
一般症状の診かた,とらえ方
16.帯下
中室 嘉郎
1
Karo Nakamuro
1
1大阪府立病院産婦人科
pp.939-941
発行日 1992年8月10日
Published Date 1992/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900966
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更年期から老年期にかけての婦人の帯下の原因は非常に複雑である。成熟婦人にみられるトリコモナス,クラミジア,マイコプラズマ,カンジダ,性器ヘルペス,淋菌,梅毒,非特異性腟炎のような感染症で帯下が増加している場合もあれば,エストロジェンの減少によって外陰が萎縮し脆弱化して帯下が減少している時にも,“帯下の訴え”をおこす。子宮頸癌や体癌のような悪性腫瘍においても帯下を主訴とすることがある。帯下感は主観的なものであり,体感異常による“帯下の訴え”のように質的,量的異常が認められないにもかかわらず強固な訴えをおこす場合がある。
本稿においては更年期から老年期の婦人の帯下について問題点を述べる。
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