特集 看護業務の向上をさぐる—その検討の中から
Ⅲ.よい看護体制をどうつくるか
パトロールナーシングについて
加納 保之
1
,
伴 わぐり
1
1国立療養所村松晴嵐荘
pp.84-85
発行日 1962年6月15日
Published Date 1962/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911655
- 有料閲覧
- 文献概要
はじめに
近代外科の著明な進歩の結果,看護面においても高度の知識と技術が要求されるにいたったことは当然である。また看護婦の勤務条件の改善も進められねばならないところであり,まず44時間制3交替勤務はさし当って実施に移されなければならないところである。高度の専門知識を必要とする看識業務が素人の家人や付添婦やあるいは未熟練看護婦で満足に遂行し得るものでないことは明らかであり,そのために十分に訓練された熟練看護婦が要求されることは当然である。
村松晴嵐荘では手術日には通常6〜8例の手術が行われ1週2日ないし3日の手術日を設けているのであり,従って1対1の常時付添看護を行うときは18名ないし24名の熟練看護婦を必要とすることになり,しかもどの看護婦も同程度に十分に熟練した看護婦であることが要求されるわけである。しかし,このような要求はよほど条件の良い特殊な病院は別として日本の実状からみて,多くの病院においてこのような要求を充すだけの熟練看護婦を確保することは不可能に近いことであろう。少くも村松晴嵐荘ではできないことである。
Copyright © 1962, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.