発行日 1946年10月15日
Published Date 1946/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906117
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アメリカでは看護は日本に於けるとは餘程違ひます。即ち看護は專門的教育を受けた男女の從事する高級な職業として尊敬を受けてゐるのですが,これは必ずしも始めからさうであつたわけではなく,6,70年前までは看護婦といへば教育程度も低く,決して立派な職業とは考へられてゐなかつたのであります。それが今日の高い水準に引上げられたのは,靈感を受けた勝れた看護婦の指導の下に,全ての看護婦が勇氣をもつて長年努力を續けた結果であつて,アメリカに於ける看護を語る場合,特にこの事を申上げるのは,日本の看護婦も勇氣と深慮をもつならば,同樣な職業的高さに達するととが不可能でないと考へて頂きたいからであります。
アメリカでは尠くとも18歳に達し,ハイ・スクールを卒業した少女でなければ看護婦養成所に入學する資格がありません。アメリカのハイ・スクール卒業生は小學校で6年,ジユニア・ハイ・スクールで3年。ハイ・スクールで3年,合計12年の學校教育を受けて居りますが,ハイ・スクールを卒業しただけの18歳の少女では未熟で,看護婦として當然期待される責任を果すには,年齢的にも充分とは考へられません。從つて評判のいい,大きな看護婦養成所では,見習看護婦として入學を許可する前に尠くとも1年,時には2年カレツヂで勉強することを條件としてゐるところもあります。
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