特集 看護
看護の実際
1.チーム・ナーシングについて
チームナーシングの問題点—アメリカでチームナーシングを体験したなかから
伊藤 暁子
,
小田切 希伊子
,
鮫島 康子
,
村上 登美
,
塚本 蝶子
,
吉武 香代子
pp.59-62
発行日 1962年7月1日
Published Date 1962/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201949
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はじめに
昭和31年以来,在日米国教育委員会(フルブライト委員会)は,日本の看護婦の米国留学に力を借して,現在までに十数人の若い看護婦が米国各地の病院あるいは大学に留学または実習の経験を得ることができた。このうち,ニューヨーク市内,コロンビア大学教育学部,看護教育科に在学したもので,そこのプログラムのなかで,同市内メモリアル癌病院において,丸1年間の勤務実習をし,チームナーシングを経験をした在京のものが集まる機会を得た。このグループは,実際に身をもって,アメリカの登録看護婦といっしょに働き,また准看護婦や看護助手を率いて,チームリーダーとして1年間活躍をした6人の日本の新制度看護教育卒業者であり,そのうちのほとんどのものが,その後の期間にアメリカの各地の病院で,他種の看護をも体験して帰国している。今,日本のそれぞれの看護の分野に働いて,その現状に十分な考察をする機会を得,今後,日本でチームナーシングを発展させるについての問題を,一夜ザックバランに語ってみたのである。ここにまとめられたものは,その会合で討議されたなかから,チームナーシングを日本の病院看護体制のひとつとして消化し,応用する場合,どういう問題点が考慮され得るか,また何が困難な点として指摘され得るか,という要点の要約である。
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