特集 チームナーシングの功罪—現状での総括と展望
プライマリナーシングを試みて
音谷 多恵子
1
1慶応義塾大学病院内科病棟
pp.163-169
発行日 1979年2月1日
Published Date 1979/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918605
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はじめに
看護方式は,看護を受ける患者にとっても,行う看護婦にとっても満足感の得られるもので,能率的かつ効果的であり,しかも患者の必要度を十分に満たすものでありたいと考えている.当病棟は内科の単科病棟で,過去約10年間チームナーシング方式による看護体制がとられ,それなりの効果をあげてきたと思う.しかし,慢性成人病の増加,患者の高齢化,長期に至る重症患者などの多様性に加えて,治療の高度化は大学病院という特殊性もあって専門性が深く要求されるようになってきている.単科とはいえ48床のベッド数に対して,医師サイドでは6つの専門に分かれ診療が行われており,混合病棟的な性格を多分に持っている.看護側でもそれぞれの専門性に基づいた看護の必要性を痛感していた.
当時私たちは,チームナーシングによる看護方式のもとにカンファレンスによって患者の問題点を再認識し,看護計画を立て,カーデックスに記入して全員に浸透させるようにし,看護の継続性をはかっていた.しかし,ベッド数48床の内科全域にわたる患者を抱えては,個々の患者へのアプローチも専門的知識や技術の修得も不十分で,なんとかこれを脱皮したいと考えていた.
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