特集 チームナーシングの新しい展開
“固定チームナーシング”の意味するもの—プライマリナーシングへの入り口で
西元 勝子
1
1兵庫県立塚口病院看護部
pp.131-135
発行日 1987年2月1日
Published Date 1987/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921635
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“固定チームナーシング”という,1年間チームメンバーとリーダーが変わらないチームで看護する方式を採るようになって,10年あまりになる.その間,病棟運営に関してはいろいろな問題があったような気がするが,思い出すのは,その年ごとにリーダーとして患者のケアを先頭に立って実施しチームメンバーを支えていた,個性的で心優しい仲間たちのことである.彼女たちの何人かは病棟を去って新しい職場に移り,またある人は結婚して地方へ行ってしまった.
現在,小児病棟でチームリーダーをしている3人は,固定チームナーシングの看護方式で育ってきた人たちである.この3人の頭の中にある“チームナーシング”という看護方式の概念には,日替わりのチームリーダーやメンバーは決して存在しないと思う.なぜなら,彼女たちの“チームナーシング”では,年間を通して,継続した役割意識のあるチームリーダーがおり,チームはそのリーダーを中心に運営されてきた.リーダーは自分の看護チームで受け持つ患者に責任を持ってかかわり,チームメンバーは自分の受け持ち患者を継続してケアする看護方式だからである.
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