臨床検査とその介助
産婦人科臨床検査
足立 春雄
1
,
藤本 いさの
1
1大阪逓信病院産婦人科
pp.62-68
発行日 1961年5月15日
Published Date 1961/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911342
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I.はじめに
近年医学の長足の進歩とともにあらゆる疾患の診断,治療に対しての臨床検査の知識と手技が医療にたずさわるものの必要欠くべからざるものとなつてきたことはいうまでもない。紙数の関係で産婦人科の臨床検査のすべてを詳述することができないので,日常頻繁に行なわれる検査項目と思われるものに限局してその概略を述べることにする。
Ⅱ.試験室での心得と注意
A.被検物その他を捨てる場合
一般に被検物を捨てる時には,もう一度それが不要な物であるかどうかを十分確めて捨てることが肝要である。その他汚物缶,屑箱には前に何か捨ててあるか分らないから,不要意にある種の薬物を捨てると,前に捨ててあつた物質と反応を起して発火したり,また爆発したりして火災を起したり,あるいはおもわぬ怪我をすることがある。例えば火のついたマッチの燃残りや燐などは室内の屑箱へ決して捨ててはならないようにするだけではなく,不要になつた試薬類は室外の溝へ流すように心掛けねばならない。
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