報告
リウマチ病棟の看護管理
山下 サヨ
1
,
青木 ワカ
1
,
菅沼 やす子
1
1国立伊東温泉病院
pp.32-36
発行日 1961年5月15日
Published Date 1961/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911332
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1.現リウマチ病棟について
私共病院は温泉治療患者を取り扱う関係上,リウマチ患者を多数収容して来ましたが,とくに昭和32年4月厚生省のリウマチセンターに指定され,昭和33年よりその業務を始めました。リウマチと申しましても,慢性関節リウマチ(リウマチ様関節炎)が大部分で,少数の筋肉リウマチや変形性関節症,強直性脊椎炎を含んでいます。今日までに取り扱つた数は第1表のようで,1日の在院患者の1/3以上のリウマチ患者を常時収容しています。患者は女子の方が多いのですが,とくに主婦である患者は立場上思いきつた治療ができないため,10年以上の病歴を持つた方が多いのです。リウマチ長期療養患者はしばしば再燃をくりかえし,精神的苦痛,全身に衰弱.貧血などをきたし,関節部腫張,変形運動障害のため日常生活もひどく制限され,ある程度の身体障害者となつてしまつているのですが,このような患者の看護面には,いろいろな問題が出てくるわけです。これらの患者の取り扱い上,私共は慢性期のものを一箇病棟にまとめ,これをリウマチ病棟と呼んでいます。
その他急性症状が強いものは内科病棟に,手術の必要な場合は外科・整形外科にうつしています。まずその病棟は昭和14年創立当時の木造2階建で,和室をベッドに改造した廊下の狭いものです。東南向きの通風で採光は十分で丘上にあるのでよく乾燥しています。
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