特集 医療事故と病院
医療事故の実例と対策・1
産婦人科
大村 清
pp.40-43
発行日 1975年8月1日
Published Date 1975/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205682
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はじめに
病院は,診療所から送られてくるケースの多いこと,人員・設備ともに診療所より規模が大きいことなどから,一般の診療所より高い医療水準を要求されている.が,これは,わが国では,アメリカのような病院のmal-practiceの集計はないし,各病院ともmalpracticeが表面に出ることを極端に嫌うことも原因のひとつではないかと思われる.しかし,産婦人科では病院と有床診療所の診療内容を比較した場合,悪性腫瘍などを除いて本質的には大差はなく,したがってmalpracticeの内容も,産婦人科に関しては診療所も病院もほぼ同じ傾向をとっているといえよう.
日医の調査では,全医療事故のうち産婦人科関係が約35%となっている(表1).その内わけは表2の如くであるが,最近クローズアップされてきたものに,未熟網膜症,脳性マヒおよびレントゲン撮影,抗生物質による障害などがある.本稿では,公的病院(教育施設も含め)を主な対象として,よくあるmalpracticeについて述べる.
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