看護サービス・5
ことばづかい①
永井 敏枝
1
1中央鉄道病院看護婦養成所
pp.56
発行日 1961年5月15日
Published Date 1961/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911340
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よい接遇の仕方
これから私達の役割の一つであり,看護サービスの本髄でもあるよい接遇について考えてみます。私たち人間を相手にしての仕事をする接遇者にとつて最も大事なことはどんなことかと考えてみると,ことばずかい,態度,身だしなみなどがあげられましよう。そこでこれらの一つ一つについて少し堀り下げてみます。
ことばつかいのむつかしさ
ことばつかいはその人の態度や身だしなみとともに,自分の気持を端的に現わすものです。その一言一句がどんなに相手や周囲の人の心に影響するかは想像以上のものであります。自分の不用意な一言が,相手を非常に不快にし,また心のこもつた一言によつて相手を喜ばせ,収拾のつかなかつた事態であつても,たちまち円満に解決することなど,私たちが日常経験するところです。ことばつかいのよしあしが,その人の人柄や教養の程度を現わすものです。前にのべたよい人間関係をつくつていくのも,またそれを悪い状態に導いていくのもことばつかいによつて左右されましよう。昔から口は「禍いのもと」ということばがありますが,これは人間の生活においてことばつかいがいかに大切であるかを意味しているものでしよう。
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