講座
大量皮下注射を科学する
永井 敏枝
1
1東京鉄道病院附属高等看護学院
pp.209-215
発行日 1956年4月15日
Published Date 1956/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910109
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治療介補という看護業務の中で各科共に比較的多い大量皮下注射という治療技術について老えてみようと思います。元来介助ということはその原理を知らなくても,何故そのような処置をするのかとも知らなくても,たゞ命じられた事を命じられた通りにすればそれで立派な介補であるかのように思われ,又看護婦自らもそれでよしとしていたといううらみはなかつたでしようか。私達は少くとも科学的な看護をしたいと願い又そうであると自覚するならば,その原理を充分理解し,納得の上での介補でありたいと思います。そうすればその目的の遂行がより完全に,より速く行われるでしようことは勿論のこと,更に患者さんには苦痛を最小限にとゞめ,自らは能率的な労作をすることができると思います。
大量皮下注射(hypodermoclysis)とは皮下組織(皮膚と筋肉層の筋鞘との間)内に多量の藥液を注入して局所の毛細管を通じて吸入させる方法をいうのであります。
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