講座
日本の医療(1)
舘林 宣夫
1
1厚生省保険局医療課
pp.6-11
発行日 1956年4月15日
Published Date 1956/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910094
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I.まえがき
健康保険法の改正や新医療費体系が発表せられたのをきつかけに,医療問題が大きくとり上げられるようになつた。医療関係の法律が国会の重要法案としてとり扱われたり新聞のトップ記事となつたりしたことは今迄にかつてなかつたことである。
それだけに医療の重要性が世の中から認められてきたと云つてもよいと思う。昔は医療は医師と病人だけの世界の問題であつて,社会問題となつたことはなかつた。貧しい入と富める人との間の調節は医師が自分の出来る範囲でやつていたに過ぎなかつた。あたかも工業に対する家内工業であるかのようにさゝやかなものであつた。
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