原著
Hyaluronidase添加による大量皮下注射液吸收促進成績と其の添加量の問題に就いて
渡邊 金三郎
1
,
大鹽 乾郎
1
1名古屋大學醫學部産婦人科教室
pp.711-714
発行日 1952年12月10日
Published Date 1952/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200757
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緒言
Duran-Reynal及びMc Cleanによつて各單獨に發見され,Chain and DuthieによつてHyaluronidaseと名付けられた本酵素は,その特性により臨床的應用面は甚だ廣く,且つ又將來性を有して居り,既に明にされたもののみでも數種をあげることが出來,大量の皮下注射液吸收促進への應用もその一つである。本方面の開拓者はHechter;Schwarzman,Gaisford and Evans等であり,我國に於ては榊原,加來に負うところが多く,其の後諸家の成績發表をみるに至つた。余等も早くより主に手術後の處置としてRinger氏液注射時に本酵素を使用し,その卓效を認め發表するところがあつた。然るにHyaluronidase添加の際皮下注射量に對し,果して何單位添加が妥當であるかの量的問題になると,指針となるべき文献に乏しく,僅かにMadinavetiaの吸收促進速度はHyaluronidaseの量に大體比例するとの説によらなければならない現況である。依つて余等はこの量的問題を解決すべく,使用例につぎ臨床的検討を加え,或る成績を得たので茲に報告する。
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