講座
胃潰瘍の食餌
原沢 美智
1
1順天堂医大栄養課
pp.28-31
発行日 1954年11月15日
Published Date 1954/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909687
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胃潰瘍は胃壁の内部表面が潰瘍を生じ,この出血により,吐血及び下血を伴うものでありますから,食餌療法を行う場合胃を庇護することが最も大切な目的であります。普通吐血後及び手術後2〜3日間は絶食とし,絶体安静にして胃の休養を計ります。此の期間は,静脈内及び皮下栄養によつて体力の維持を計ります。絶食3日乃至4日目より徐々に流動食を少量宛与えますが,(1)胃の内部に潰瘍を生じている為に,これを刺戟するようなことは,一切避けなければなりません。(2)胃の拡張及び蠕動運動を抑制する為とは,胃液の分泌を亢進する食物は一切避けますが,これが長期に亙る場合には全身栄養が衰え,回復が遅れますから,胃内滞留時間が少く,易消化性の食品を与え,全身栄養の回復を計ります。
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