今月の献立
妊娠悪阻の食餌について
武藤 靜子
1
1愛育研究所
pp.37-39
発行日 1955年2月1日
Published Date 1955/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200793
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妊娠初期の食餌の一般的注意についてはすでに前月号に述べられた通りであるが今月は初期に屡々みられるつわり,更にそれが惡化した惡阻の場合の食餌についてのべる.
つわりは妊婦の40-60%にみられ,特別の原因がなく惡心,嘔吐,食欲不振,嗜好変化,唾液分泌過多等を起すが全身の栄養を格別衰えさせる事もなく妊娠の経過と共に自然に癒るもので生理的な徴候と考えられている.之に対して惡阻は妊婦の僅か1%内外にみられるに過ぎないが頻発する嘔吐,著明な養栄障害,体重減少を来し重い場合には生命の危険さえ伴う病的なもので医療を受ける必要がある.この樣につわりは生理的,惡阻は病的なものと区別されているが両者とも妊娠中毒症であることに間違いはなく從つて早期発見,早期治療をなし重症にならないよう注意することが大切である事は申す迄もない.それでは食餌についてはどの樣な注意のもとにどの樣な食品を選びどの樣な献立,調理をしたらよいのであろうか.次に特に注意すべき諸点についてのべる.
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