Japanese
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綜説
胃全摘患者の食餌嗜好の変化について
On the Change of the Dietary liking in the Total Gastrectomized Patients
池田 恵一
1
Keiichi IKEDA
1
1九州大学医学部第二外科教室
pp.113-118
発行日 1960年2月20日
Published Date 1960/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202543
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胃は消化器系における第1の関門であつて,塩酸,酵素等を分泌する他に,摂取食餌の貯溜混和等の重要な機能を有している.したがつて胃を全摘出すると,食餌摂取に関係する諸事項,すなわち,食餌摂取量,摂食回数,食餌の種類,食餌の嗜好,さらに摂取食餌の消化吸収状態ないし能力等が変化する.
最近,胃全摘術が比較的安全に施行されるようになり,したがつて無胃患者における物質代謝の研究が盛んに行われつつある.胃全摘後における患者の食餌嗜好の変化は,胃全摘患者の摂取食餌の質と量とに直接影響をおよぼすものであつて,術後管理上からも常に関心を払う必要のある事項であるが,かかる食餌嗜好の変化については,時に断片的記述が見られるのみで,その系統的報告には未だ接しないようである.私は友田外科教室において手術を施行された胃全摘患者約80例について,術前後における食餌嗜好の変化を調査した所,興味ある成績を得たので茲に報告する.
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