医学のあゆみ・32
放射能症—“死の灰”による障害
杉 靖三郞
pp.47
発行日 1954年6月15日
Published Date 1954/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909582
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3月1日ビキニ環礁でおこなわれた水爆実験の灰をかぶつた福龍丸の漁夫たちが,顔に潰瘍ができたり,頭の髪の毛が抜けたり,体工合がわるくなつたりして帰つて来たので,しらべてみるとその灰のなかにある放射能のためとわかつた。
この症状は,広島や長崎のときの“原爆”によるもの(原爆症)とは,ちがうので,これに“放射能症”という新しい名がつけられた。原爆症とともに,原子時代が生んだ全く新しい病名である。
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