今月の言葉
ビキニの「死の灰」におもう
pp.9
発行日 1954年5月1日
Published Date 1954/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200597
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ビキニの原爆実験の「死の灰」を日本漁船がかぶつたことによつて,日本の医学は世界の注目をあびている.原爆症は日本の広島及び長崎だけではなく,アメリカにおいても報告されているが,何といつても悲慘な災害を歴史はじまつて以来最も広汎に受けたのは日本人がはじめてである.私たちの周囲に原爆症に泣く人達が現存している折から,再び日本人の上にふつてわいたビキニの災害は,まことに心いたましい限りである.
驚愕したアメリカでは,ただちに調査団を派遣すると共に,特効薬を送り,また危険区域を從来の4倍にひろげるなど対策に腐心している.また災害に対する保障をすることが要路の人から洩されている.
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