発行日 1952年11月15日
Published Date 1952/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661907162
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二つの齒車が,夫々自轉し乍ら一つ一つの齒をしつくりと噛み合わせて動いていく。そして大きなベルトを廻轉させたり,精巧な時計に時を刻ませたりしていることを感慨深く考えてみる。ナースとドクターの關係と同じだなと思い乍ら。
ドクターは病院では主人役,ナースはよき伴侶である主婦の役,そして患者というお客樣を迎えて,快いサーヴイスである醫療を與え,滴足して歸宅してもらう。玄關先きであいさつ丈で歸る外來患者のお客樣と異り,座敷まで通つて,長時間家人とすごすと,うりゆう客の接待こそ,最も心をくだかれなくてはならないもので,それこそナースとドクターの役目であり,病院事業の中核であります。ナースとドクターの職務上の關係が,どうあるべきか,又,どうであるかを今更こと新しげに言うことは,いささか只今となつては時代錯語の感じがしないでもありませんが,ドクターに對する言い分は別の時に譲り,ナースの分について考えてみましよう。一人一人じつくりと反省してみて頂きましよう。自分自身の業績を客觀的にみることは,それ自身,進歩その一段階で,非常に役立つはずですから。こんな氣持はないでしようか?
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