発行日 1951年4月15日
Published Date 1951/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906830
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ナースは,政治はおろか,仕事のための連絡事務すら自ら扱うものではない。ましてそれを行うなどとんでもない見當違いだ。ナースは專門技術家であるから,その專門とする看護の技術の修得と知識の研鑽にのみつとめるべきである。との思想は長らく看護婦社會に根をはつた考え方であり,甚しいのは,それは神聖な看護婦の職を冒涜するものであるとさえ考えられていました。それが今日のナースの社會的に低い原因であるか否かは別ですが,何れにしてもナースと政治は無關係でした。
婦人に參政の權限が男性同樣與えられ,社會的無差別平等が確立されて以來,考え方も大分變つて來たようです。政治は實生活に直結するのであるが故に,そのまゝこれが反映するという事が考えられる時,政治の貧困は,ナースの生活實態を貧困にしているとも思えるし逆に,ナースに政治力がないからだとも考えられるのです。
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