発行日 1952年9月15日
Published Date 1952/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661907127
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二つもの一體となりて…よりよき完成に到達するのであり,一方は他方のベターハーフとなり合い子孫を繁榮させるのが人生の原則であるようです。適令期に至つた人が適當な相手があるにしろないにしろ,結婚に關心をもち,實現を夢みるのはごく當り前のことで,「私は結婚しない」だの「生涯を事業に捧げるのだから妻帶しない」などとりきむのは,よくよくの事情があれば別,さもなければ劣等感を感じているか,或は餘程の天の邪くであろうと思います。人生の尊いキビにふれてこそ,はじめてうるおいのある然も餘裕のあるよい仕事も出來るものだと考えます。事情が許せば,そして機會があれば,男性も女性も等しく結婚すべきもので仕事故に結婚を妨げられる等という事は馬鹿げた話で,平凡な結婚生活こそ最も尊ぶべきものでしよう。ですから,仕事をもつている人でも自由に結婚すべきですし,結婚した人も又仕事を止めずに之を繼續すべきなのです。ただ此處に一つ非常にむつかしい問題があります。それは仕事といつても種々ある中で,ナースの仕事の樣に,患者に對する24時間サービスをするという性格をもつ場合結婚と仕事を兩立させる事の困難性の強い事です。實際問題として,日本の家庭のあり方は主婦を家庭に幽閉する樣になつていますが,之は絶對的なものではなく,家族の中で最も力をもつ夫が理解をよくすれば80%は解決出來ることなのです。
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