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扉 ナースと夢
pp.1
発行日 1951年5月15日
Published Date 1951/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906845
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「小諸なる古城のほとり,雲白く遊子悲しむ」とうたつた藤村ならずとも,5月の室にフワツと浮いた白雲をみて,乙女心のねがいを,そして果しない夢を心一杯抱かないでいられましようか。
幼稚園の子供は大きくなつたら大臣になる,お嫁さんになるの…と,小さい瞳を輝やかしています。小學生は……中學生は……そして大學生は……と,みんなみんな夫夫が希望にみちた夢を描いています。ナースも,ナースの世界をはるかに夢み,白衣の天使,灯をかかげる人と,乙女の胸をふくらませ完成の其の日を夢みつ,學院の門をくぐつて來たものでありましよう。清い夢,たのしい夢,なっかしい夢,愛らしい夢,夢は夢を生み,年と共に成長していきます。夢みる力のない人は,生きる力のない人だといいます。夢みる事の出來る人のみが,人生に意義をもつものなのでありましよう。
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