発行日 1952年7月15日
Published Date 1952/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661907088
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夏は健康な人達でさえも消化機能が衰え食欲も鈍り勝ちになるのですから,まして病臥中の人々には耐えがたいシーズンでありましよう。然し夏の一日の中にも,朝ともなれば,爽やかな涼風が朝顏の花を一つ一つ目覺めさせて,病床の窓邊にも緑の風を送つてくれるし,夕となれば美しい夏の夜空に無數の星がまたたき,灯がうるみなつかしい郷愁をそそつてもくれます樣に,むんむんするうだる樣な日中許りではないのです。
その樣に,夏の一日の食卓の上にも殊更にこの季節はそうした思い切つたアクセントをつけてぐつたりした體をひきしめ,渇ききつた舌に甘美な味わいをおくつて上げたいものです。
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