連載 身近かな栄養学・6
家庭における病人食
小池 五郎
1
1女子栄養大学
pp.61-64
発行日 1969年2月10日
Published Date 1969/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204382
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家庭の中に糖尿病,腎臓病,高血圧症など,食餌療法を必要とする病人がいるとき,台所を受けもった主婦の,食事作りに関する労力は倍化します。病人のための食事にとくべつの注意を払わなければならないし,そのほかの家族の食事も,普段と同じようにつくっていかなければならない。病人がいると,とかく家庭の中の空気が暗くなりがちなので,できればいつも家族の誰もが満足するような食事を供して,少しでも気分を明るくするための配慮も必要です。病人が,自分の食べるべきもの,食べてはいけないものをチャンと心得て,細かく指示してくれれば,それなりの仕方もあるでしょうが,こちらから進んで考えてやらなければならないようだと,主婦は「病人食事」についての勉強もしなければならないことになります。
そこで,このような場合に,台所をあずかる主婦のかかえる問題として,とくべつの病人食に関する問題と,それと平行しておこなわれる健康食に関する配慮との,2つの問題にわけて考えなければならないことになります。またそれと同時に,特別食から解放されて普通食にもどる過程において,どんな注意が必要か,ということも,考えておかなければなりません。
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