講座
夏の妊産婦の食物
近藤 とし子
pp.34-38
発行日 1952年7月1日
Published Date 1952/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200142
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夏と妊産婦
夏はあついと一口にいつても,日本の夏は格別で気温と同時に濕度迄も上昇しますので,全く文字通りうだる樣な暑さとなります。暑さにすぐやられるのは御承知の樣に消化器です。又含水炭素の消化と関係の深いビタミンの消費量もぐつとふえて来ます。
ことに,妊産婦は,もともと胃腸の働きが惡くなつていますので,食慾も普通の人以上に衰ろえますから,食慾にまかせて食べていますと,全身的に栄養のおとろえをみせ,げつそりやせてくるのも当然でしよう。然し,胎内では,胎兒の成長が1日も休みなく行われているのですから,妊婦はとくに栄養的な食事をとる工夫をしなければ,丈夫でよい赤ちやんをうむ事が出来ませんし,授乳婦も充分にお乳を出す事が出来なくなります。
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