発行日 1952年6月15日
Published Date 1952/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661907069
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ビタミンとは—今日この間に對して答えられない人は1人もいない程にその知識は普及しているので,多くの説明をここに必要としないであろう。私達が日常口から攝り入れる食物の種類は數百種類に及んでいるが,それらを化學的に分析してゆくと,結局蛋白質,炭水化物,脂肪及び鹽類の四大養素に分けられる。この4つの榮養素は身體に是非とも必要な亀のではあるが,ただそれ等だけを與えたのではどんなに量や配合を變化してみても,結局動物は健康に發育しないでいろいろの病氣(缺乏症)を起して死んでしまうのである。ところがそれ等の動物にごく微量のビタミンと言う物質を附け與えると,動物は非常に健康に發育し,さかんに繁殖を營むようになる。
言いかえると,ビタミンとは非常に微量で身體の中にいろんな物質の新陳代謝を調節し,榮養繁殖と言つたような動物の生理機能を支配する榮養素と言うことになる。
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