発行日 1952年6月15日
Published Date 1952/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661907070
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結核とは結核菌に依り人から人へ移行する病氣です。即ち結核菌による傳染病であります。およそ病棟婦長,病棟主任の仕事の中で最も大切な又最も困難なのは結核病棟管理であるといつても過言ではないでしよう。
若し我國の結核を撲滅し度いと思うなら勿論根本的には生活の改善,又この根本的には國民のための社会を作る事が必要でありますが,私共臨床看護婦の當面に與えられた職務としては結核で入院して居る患者を一般の人々即ち結核に犯されていない人々より隔離する事です。それには結核病棟を傳染病棟として扱い内部の結核菌を外部に出さない樣にします。婦長及び主任に自分自身内科的無菌操作,(Isolation technic)を知りその基礎の上に立つて病棟を管理しなければなりません。結核は誰でも知つて居る樣に傳染病であつても謂る急性傳染病の樣に一定の經過を辿つて短期間で治癒し退院するものではなく,患者は自分のことは自分でし,便所,洗面所に一人で行ける樣になつても尚長期の入院を要します。又肉體上の看護のみでなく精神的看護が必要であります。患者自身が自分の病氣を自覺し,隔離された患者として病棟管理者に協力して行く樣指導して行かねばなりません。この樣な事のため結核病棟管理は仲々むすかしいものだと思います。
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