講座
ビタミンの話(1)—V. Kについて
小田 正幸
1
1東大田坂内科
pp.42-44
発行日 1956年2月1日
Published Date 1956/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201003
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出血に関係したビタミンと云えば誰しも真先に頭に浮ぶのはこのビタミンKである.
このビタミン発見の歴史は1930年にデンマークのダムがリポイドを含まない飼料で鶏を飼つていると数週後に出血性傾向がみられるようになることをみ出したのに始まる.続いてアルムキストとシユトツクシユタツトとが,この出血性傾向はビタミン欠乏によるものであり,その成分はムラサキウマゴヤシの緑葉中に比較的沢山含まれていることを報告した.その後さらに豚肝油,麻実油,トマト,キャベツ等にも存在することがみ出され,1935年ダムによりビタミンKと名ずけられた.このKと云う文字は血液庇凝固をドイツ語でKoagulationと云うのでその頭文字をとつたわけである.
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