発行日 1952年3月15日
Published Date 1952/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661907009
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昔,幼稚園の年令より一段若い子供達の教育施設保育學校に暫く働いた折のこと,滿2年の最年小組から滿4年の最年長組まで3組の年令層がありましたが,毎日一緒に遊んだり世話をしたりしている間に子供達の成育振りが日に日に眼にみえてたのしかつたものです。最先少組は,やつと手ばなしで自分獨りで,どうやら好きな玩具のところまで行けますが,誰か同じものをほしくて年長者がひつぱれば,簡單に奪われて呆然とするか,泣き出す組。第二番目は,何故かわからないけれど,兎に角先生に言われた通り,積木もつむし,お手々も洗います。第三番目の最年長組は,「どうして泣いたの?」「何故こわれたの!」と納得のいくまで先生のお尻について廻つてきいています。こうしたグループが混然として30人ばかりも一緒に遊んでいる樣予を想い返して,靜かに現況と考え合わせると,恰度今日の看護婦さんのグループの姿そのものの樣に思えると云つたら失禮でせうか?正しい看護のあり方を,正しい地位の確立を,そして正しい看護精神を明確につかみとり,消化吸收し自分のものとして活かしているグループから最年少組の如く,何も考えず,只自分達の+C75ことだけを考えてそれに向つて足許も危うげに歩いているグループまで混然としている現状は,僞わらない事實だと思います。
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