看護學講座
個人衞生
橋本 寛敏
pp.48-56
発行日 1947年8月15日
Published Date 1947/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906226
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衣服と家屋
住む土地をかへたために起る氣候の變化,四季の變化,日にょつて變る或は時間によつて變る氣象の變化が體の健康に及ぼす影響は大きい。大古の人類は,大抵熱帯地方に居住してゐたが,人智の進歩につれて,衣服と家屋を利用して氣象の劇變に耐えて,そめ居住地が南へ北へと擴大して今日に至つた。
氣象に應じて衣服と家屋は變るべきものだが,先祖傳來の習慣にとらわれて,實際に適しない衣服と家屋を用ゐて居ることもある。近代人は科學的になつて來て,之れを改良し昔なれば到底住み得なかつた地方にも安全に居住する樣になり,又季節その他の氣候の變化によつても健康を害することが少くなつた。そればかりでなく,氣候の變化を緩和することによつて,仕事の能率を上げることにも努力する。
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