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個人衞生と公衆衞生
田宮 猛雄
pp.57
発行日 1950年8月15日
Published Date 1950/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200687
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各大學は相次で公衆衞生學教室を新設しつゝある。從來の衞生學教室の外に,新たに公衆衞生學の研究と授業を行ふのであるから,自ら衞生學との擔當分野につき再吟味の起つて來るのは已むを得ない次第である。
今までに公衆衞生學或は豫防衞生學等の名に於いて示された授業内容を見ると,殆んど皆從來の衞生學の授業内容と極めて多くの部面に於て重複がある。新設講座のことであり,内容の完備に努める結果として無理からぬことではあるが,それ丈けに公衆衞生學,衞生學が焦點を結ばしめるに餘りにも範圍の茫漠たるものあるを思わせる。それでは從來の衞生學は何處へ行くか,寧ろ公衆衞生を衞生學第二講座或は第三講座として,廣汎な取扱い範圍の分擔をした方が實状の解決によりよいのではないかとさえ思われる。しかし一面公衆衞生と衞生との兩教室を並立せしめてよい理由も見逃せない。
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