特集 臨床で“生活をみる”ということ
生活を可能にする看護—カナダB.C.州における高位頸髄損傷者のケアから学ぶ
松井 和子
1
1浜松医科大学看護学科
pp.841-844
発行日 1997年9月1日
Published Date 1997/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905424
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患者の在宅死から見えるもの
「朝起きて気づいたら,人工呼吸器のチューブが外れ,夫は冷たくなっていた」,「人工呼吸器の送風がストップ,アラームで気づいたら息子は意識不明の状態だった」,人工呼吸器長期依存の患者を在宅で看ていた家族の報告である.
自力呼吸が困難な高位頸髄損傷,人工呼吸器で生存可能にしている人たちの在宅相談を私が受けるようになったのは,1990年代以降である.これまでかかわったのは24例,うち5例は明らかに呼吸管理上のミスによる事故死,さらに事故ではないかと推測される死亡が4例,計9例,約4割という高死亡率である.死亡時の最高年齢は61歳,最低は19歳である.
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