Japanese
English
調査
頸髄損傷者の日常生活活動の達成可能率
The achievement of activities of daily living in the cervical spinal cord injuries.
谷津 隆男
1
Takao Yatsu
1
1国立身体障害者リハビリテーションセンター
1The National Rehabilitation Center for the Disabled
キーワード:
頸髄損傷者
,
ADL
,
到達目標
Keyword:
頸髄損傷者
,
ADL
,
到達目標
pp.461-468
発行日 2001年5月10日
Published Date 2001/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109493
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はじめに
リハビリテーションにおいて日常生活活動(以下,ADL)のゴールを予測することは,訓練のプログラムを設定するうえで欠かせないことである.そのゴールを予測するうえで,現状の評価と蓄積された過去のデータは大いに役に立つものである.現在,ADLの評価法としてBarthel Index(以下,BI)やFIMが最も利用されている.これらの方法は,現状の評価,経過の比較,他の医療施設との比較などに便利で有用な方法である.しかし,BIやFIMでは表わせないものがある.例えば,ADLの動作を構成する細目動作のどれとどれが具体的に可能なのかということや,BIやFIMでは評価の対象とされていない動作や応用動作の可能性はどうなのかはわからないことである.したがって,BIやFIMとは異なった評価分析の方法も時には必要とされる.
頸髄損傷による障害では,一髄節の違いにより残存機能に大きな違いが生じている.そのことが,頸髄損傷者に達成されるADLにも大きな影響を与える.頸髄損傷者におけるその残存機能のレベルとADLの達成可能性について述べた報告は過去にあり,われわれが頸髄損傷者のゴールを予測するうえで大いに参考としてきた.ところが,国立伊東重度障害者センター(以下,センター)で頸髄損傷者が達成するADLと異なっている部分があることに気づくことが度々あった.
そこでセンターのデータを基に,頸髄損傷レベル毎にADLの各動作の達成可能率をまとめ,さらに過去の報告と比べて見て,その有用性の有無を検討することにした.
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