連載 看護を支えるもう1つの“知” 現象学と状況論的認知・2
“透明”であるということ
行岡 哲男
1
1杏林大学救急医学
pp.762-766
発行日 1997年8月1日
Published Date 1997/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905408
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指を曲げたり伸ばしたりしてみてください.この時あなたは,正中神経へのインパルスや,長掌筋の収縮・弛緩の程度等々を意識するこはないと思います.そこで,指を動かすとき,これにかかわる神経や筋肉は,その本人にとって“透明”であると表現してみます.透明とは,“意識されない”といった意味を含みます.
この表現に従えば,たとえば,“心マッサージをするとき,上腕二頭筋や三頭筋は透明である”“レントゲンを読影するとき視神経は透明である”ということになります.
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