特集 “退院後”に目くばりを—社会資源を使いこなす
利用者本位のコーディネートはどうすれば可能か
小野 敏明
1
1調布学園女子短期大学
pp.220-225
発行日 1997年3月1日
Published Date 1997/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905292
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はじめに
「利用者本位のコーディネート」ということを考えると,ケアマネージメントとの関連性を視点にすえなければならないであろう.最近,このケアマネージメントに関する関心が高まっている.それは,近年の在宅サービスとその供給組織多元化の進展を背景としている.さらに,ケアマネージメントは,介護保険にからんで注目されている.
ケアマネージメントは,ニーズにサービスを適合させていく一連の過程に関する技法である.そして,ニーズにサービスを適合させていくということは,サービスを必要としている人のニーズにそってサービスが組み立てられていくことを意味し,そこには利用者主体の尊重が存在する.大切なのは,マネージメントされるのは,利用者ではなくケアであることであり,利用者のニーズにそって,総合的にケアがマネージメントされることである.また,ケアマネージメントは,コミュニティケアの視点が必要と筆者は認識している.介護保険において,ケアプラン上総合的ケアが考えられても,実際に保険給付されるサービスは,限定されるであろう.しかも,施設サービスも給付対象としている.介護保険におけるケアマネージメントには,限界性が生ずるかもしれないと思っている.
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