特集 “退院後”に目くばりを—社会資源を使いこなす
効果的な社会資源の活用—ナースと他職種の連携の実際
①脳血管障害患者の場合
小林 恵美子
1
1公立学校共済組合東海中央病院
pp.226-230
発行日 1997年3月1日
Published Date 1997/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905293
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はじめに
当院は公立学校共済組合が組合員とその家族のための福祉事業の一環として,全国8ブロックに設置した医療施設の1つである.担当地域は愛知,岐阜,三重3県の組合員が対象であるが,岐阜県の岐阜地区医療圏に属し,所在地の中核的医療施設として大きな役割を担っている.病床数332床,15の診療科を有し,平成元年11月から第2次救急医療を開始.ICUなどの集中治療室は現在設置されていないが,新看護A体系で24時間体制の医療活動を展開している.平成7年度での診療実績は,1日平均外来患者数1,030人,病床稼働率98.2%,平均在院日数19.7日.当院利用総患者数の約7割が,各務原市民となっている.市内の医療機関は平成8年11月現在75か所.その内で総合病院は当院のみ,内科系の病院1か所(約80床),有床診療所9,あとは無床診療所であることから,人口10万対一般病床数1,000の割合でいくと,かなり不足している市(人口約13.5万人)であるといえる.そのため,当院のベッド稼働率は高く,在院日数を短縮しないと入院を受け入れることができない.必然的に退院受皿の1つである在宅ケアの整備が待たれる.各務原市医師会では当院と連携しながら地域の高齢化に対して,地域医療の充実と良質な医療の効率的提供を目指して,協力会員の組織化と基盤整備に取り組んでいる(図1).
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