特集 口腔ケアに注目を
私たちの口腔ケア実践
口腔ケアの自立度別援助の実際
宮本 みと子
3
,
長田 樹世子
1
,
小原 靖子
1
,
石山 直欣
2
1東京都老人医療センター
2東京都老人医療センター歯科・口腔外科
3東京都老人医療センター7階西病棟
pp.914-919
発行日 1996年10月1日
Published Date 1996/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905190
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はじめに
口腔ケアは,食事や排泄のように生命維持に直接影響を与えないため,日常業務が忙しいとつい後回しにしがちである.しかし,高齢者,脳神経外科手術の後の患者の多くは口腔ケアが不良であると微少吸引などの嚥下性肺炎に罹患しやすく,いったん発症すると治療は困難で直接生命への危険となる.また,口腔ケアは患者により,食事を摂取するための前準備処置でもあり,術後の回復,疾患の予後や全身の健康に影響を及ぼし入院患者のQOL(生活の質)向上にも密接に関係すると考えられる.そこできめ細かな看護が必要になる.
東京都老人医療センター脳神経外科病棟では20年以上にわたり歯科と混合病棟として運営してきた.その中で脳神経外科病棟患者の口腔ケアの重要性を認識し,現在まで,約15年間1日3回の食後に病棟患者全員の口腔ケアを行なっている.現在では,口腔ケアは病棟内の特別なケアではなく,日常の業務のなかでごく自然に行なわれている.ここに現在当病棟で行なっている口腔ケアについて紹介する.
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