特集 口腔ケアに注目を
言語・嚥下障害の治療からみた口腔衛生—看護婦・医師の関心度調査から
小山 祐司
1
,
出江 紳一
1
,
村上 惠一
1
,
酒泉 和夫
2
,
竹本 喜一
3
,
山本 映子
3
1東海大学医学部リハビリテーション学教室
2東海大学医学部口腔外科(歯科)学教室
3東海大学医学部付属病院リハビリテーションセンター
pp.920-923
発行日 1996年10月1日
Published Date 1996/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905191
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
正常な嚥下や会話には,口腔からの正確な感覚フィードバックを必要とする.したがって,言語療法(以下STと略)における言語および摂食・嚥下訓練は,最良の感覚フィードバックを得られるよう衛生状態の良い口腔で行なわれるべきと考える.しかしながら,急性期脳卒中患者のST開始時に,口腔衛生が不良な症例をしばしば経験する.近年,脳卒中患者の口腔不衛生が指摘され,口腔衛生管理の充実を望む文献も散見される.けれども摂食・嚥下障害および言語障害へのアプローチという観点からの口腔衛生への関心は必ずしも高いとはいえない.
そこで本稿では,STにおける口腔衛生の必要性について述べ,当院におけるST処方の現状と脳卒中患者を依頼してくる病棟における医療従事者の口腔衛生に対する関心度について,調査報告1)の一部を紹介する.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.