連載 看護相談学のすすめ・9
看護相談の事例検討(その1)
宮本 真巳
1
,
小宮 敬子
1
,
渡辺 久美子
2
1東京都精神医学総合研究所
2M市保健センター
pp.252-257
発行日 1995年3月1日
Published Date 1995/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904764
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はじめに
これまで8回にわたって,看護相談の現状と課題,そして理論や方法について述べてきた.今回は,1つの具体的な事例を取り上げ,一連のケアの流れの中で看護相談がどのような意味を持ち,またその中から看護相談をめぐるどのような問題点が浮かび上がってくるかについて検討してみたい.
取り上げたのは,保健センターに勤務する保健婦が,乳児健診をきっかけにして継続的にかかわるようになった事例である.事例提供者は,論者等が主催した看護相談ワークショップの一環として行なわれた事例検討会の参加者だった.この事例検討会は,全員が看護者である10名の参加者により約2時間かけて行なわれた.9か月後には,前回の討論の逐語記録をもとに,事例提供者,司会者,助言者,及びこの事例検討会には加わっていない看護者2名の計5名が参加して,フォローアップのための事例検討会が行なわれた.
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