連載 あるべき自己を求めて—看護は自己創造の道・3
愛は惜しみなく与う
柳田 正臣
1
1柳田エンカウンター・ソサエティ
pp.258-261
発行日 1995年3月1日
Published Date 1995/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904765
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わか身をつねって人の痛みを知れ
医療に従事する人たちにとって,「わが身をつねって人の痛みを知れ」ということわざほど重要な金言はないのではないでしょうか.「病む」ということと「痛む」ということは,前回で述べた心身が一体であるのと同じように,また一体的なのです.切り離すことはできません.
最近では,「痛み」をやわらげる研究が進んでいて,例えば末期がんの患者に対して,ともかく痛みをやわらげることに多大の努力を払ってくれる医師がいます.それはそれで大変にありがたいことです.身体の直接的な痛みは,どんなに気丈な人でも耐えることはできませんので,がんに限らずあらゆる病気の身体的な苦痛を除去することは,医療の第一歩でありましょう.
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