連載 看護相談学のすすめ・4
看護相談には何が必要か?
宮本 真巳
1
1東京都精神医学総合研究所医療看護研究室
pp.942-947
発行日 1994年10月1日
Published Date 1994/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904661
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はじめに
前回は,看護相談をめぐって看護者が無意識のうちに感じとっている困難さと,ある程度は意識している課題とを突き合わせ,看護相談にまつわる問題点とその由来を浮き彫りにしてみた.そこで今回は,看護相談の課題に具体的に取り組んでいく過程で,さらにどのような問題が生じてくるかを検討し,そこから看護相談を充実させていくためには,今何が必要なのかを明らかにしてみたい.
看護相談という活動が困難に思えるのは,どのようにして相談に応じたらよいか分からない時,そして,相談には応じてみたものの相談者の抱えている問題が解決しない時だろう.このように,看護相談の経過に行き詰まりを覚えて思い悩む時,看護者は,困難な問題を抱えて思い悩む相談者と同じ場所に立っている.
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