連載 —海外文献紹介—Current Nursingピックアップ・12
癌患者のPain Managementに関して看護婦が持つ知識
林 直子
1
1東京大学大学院医学研究科修士課程
pp.248-251
発行日 1995年3月1日
Published Date 1995/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904763
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癌患者が最も頻繁に訴える症状の1つに「痛み」がある.癌患者のPain Managementに対する取り組みが本格的に行なわれるようになる布石として,1974年の国際疼痛学会(The InternationalAssociation for the Study of Pain)の発足,また看護の分野では癌看護学会(The Oncology Nurs—ing Society)の第1回大会の開催(1975年)があげられよう.また臨床で癌患者の痛みの治療に携わる者にとり,最も有効な手引き書の1つである,「がんの痛みからの解放(原題Cancer Pain Relief)」がWHOの編集によって発行されたのは,1986年のことである.このような一連の動きはいずれも過去20年間の出来事であり,最近まで癌患者の痛みに対するまとまった指針がなかったことがうかがえる.近年は癌性疼痛に関する研究も盛んになり,看護系の研究論文も数多く発表されてきている.その中で,癌患者の痛みが十分に緩和されない原因の1つとして,ケアを行なう側のPain Managementに関する知識の不足が指摘されている.そこで今回の文献紹介では癌患者のPain Managementに関して看護婦がどの程度の知識を持っているのかを調査した海外文献を紹介する.
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