連載 看護相談学のすすめ・1【新連載】
なぜ看護相談学か?
宮本 真巳
1
1東京都精神医学総合研究所医療看護研究室
pp.652-657
発行日 1994年7月1日
Published Date 1994/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904591
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
はじめに
看護相談学のすすめ
多くの看護者にとって,患者や家族から相談を持ちかけられることはごく日常的な出来事である.また患者や家族の立場からすると,医療スタッフの中では身近に接する機会の多い看護者は,相談を持ちかけやすい相手のはずである.しかし看護者による相談活動,すなわち看護相談は,現状では看護業務の中に明確な位置づけを得られないままに,個々の看護者の個人的な努力によって担われているように思える.
私たちは昨年秋,10病院100名の看護者を対象に,患者や家族の相談に乗ったことがあるかどうかについて尋ねてみた.その結果,そういう経験はないと答えた看護者もわずかながらいたが,ほとんどの看護婦がそのような経験を持っていることが確かめられた.またこの調査から,看護相談の現状や課題,そして今後の方向性について多くの示唆を得ることができた.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.