特集 査読を考える─査読ガイドラインの構築に向けて
〈査読を受けた経験をいま査読者としてどういかすか〉
論文査読に必要とされるものは何か
跡上 富美
1
1東北大学大学院医学系研究科ウィメンズヘルス看護学分野
キーワード:
Peer Review
,
コミュニケーション
,
査読教育
Keyword:
Peer Review
,
コミュニケーション
,
査読教育
pp.709-713
発行日 2015年12月15日
Published Date 2015/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201207
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はじめに
看護系大学の数は200を超え,その3分の2が大学院を有するようになり,看護学は知の創生期を迎えている。看護学の今後の発展に向けてハード面での準備が整いつつあるいま,次に求められるのはソフトである「知」の蓄積である。知の構築と蓄積のためには,研究の成果としての学術論文の発表が求められる。学術論文は独創性にあふれた知的価値を有するものとされ,綿密な研究計画とデータ収集,結果に対する深い洞察をもとに作成される。また,学術論文は執筆するだけでは価値を十分に発揮していることにはならない。学術雑誌に投稿し,査読(Peer Review)を受けて世に発表されて,その効力を発揮していくものである。しかし,内外に多くの専門学術雑誌が存在するにもかかわらず,海外だけでなく国内においても原著論文の数は,なかなか右肩上がりとはなっていない。その1つの理由として,査読システムの存在があると考えられる。ここでは,筆者の査読経験を踏まえ,これからの査読について考えてみたい。
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