連載 「健康格差社会」への処方箋・1【新連載】
処方のために何が必要か
近藤 克則
1
1日本福祉大学社会福祉学部
pp.854-859
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100329
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日本は,いまや世界第2位の経済規模を誇り,景気拡大局面も史上最長になると話題にされている。一方,自由な競争のもとで経済効率を追求した結果,「勝ち組」と「負け組」の格差が拡大し,その弊害が出てきているという指摘もある。
健康面では,平均寿命も健康寿命も,日本は,世界一の長寿国となった。しかし,健康面においても,やはり社会階層の低い層と高い層との間に,格差が見られる「健康格差社会」1)になっている。健康指標によっては5倍もの格差があることを指摘し,「なぜ健康格差が生じるのか」についての理論を示し,それを放置することへの警告を発した。それが『公衆衛生』誌の連載第1弾「社会疫学への誘い」2)であり,拙著「健康格差社会―何が心と健康を蝕むのか」1)であった。
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